英語で日本文化紹介は 「好き」と「できる」が増えるきっかけになる

私が「英語で日本文化紹介」に関わってから かれこれ30年近くなります。 発端は米国の学校に日本文化紹介の授業をする方々の渡米前研修としての月例勉強会を始めたことでした。 授業として成り立つ日本文化 にどんなものがあるか、その見せ方であるやり方、それを英語でどのように表現するかを考えるのが、私が担当する仕事の一部になったのです。 今でこそ、お子さんでも外国の人に楽しく教えられる身近な文化があります、と講師然として折り紙を推奨して いますが、当初は受講生の方々がアメリカで行う模擬授業として折り紙の実演をすると、集中してその 手順を見ていないとすぐ落ちこぼれてしまう程、私は折り紙に慣れていなくてその上非常に不器用でした。当時、名古屋や 大阪で公開講座を開催する時は、往きの新幹線の車内で目的地に到着するま で、折り紙だけを繰り返し練習、自分にとっては、 明らかに下手と思われない 程度に折れるようにするだけでもかなりの努力が必要だったのです。

折り鶴の手作りイヤリング

その頃、勉強会参加者の一人が、ホストファミリーや学校の先生方へのプレゼ ント用に作ったという折り鶴イヤリングを見せてくれました。普通サイズの折 り紙で折ってもなかなかきれいに鶴が折れなかった私には信じられない程の繊 細な作品でした。こんな素敵な手作り土産を受け取ったら相手は誰でも嬉しい し、作り手の器用さに驚くことでしょう。折り鶴イヤリングが作れたらいいな あ、そんな思いから4センチ四方の折り紙で鶴を折る訓練を始め、その数年後 からは私も海外に行く時には沢山の折り鶴イヤリングを持参するようになりま した。 自分が想像する以上に相手が喜んで下さったことで、もっときれいなイヤリングにしたいという気持ちになり数年間はアクセサリーの先生から個人指導も受けました。

英語で日本文化を紹介するという実践を通して、相手から喜ばれる体験を何度 か繰り返しているうちに、気が付くと細々ながらも英語を学び続け、 様々な日 本文化にも新たに挑戦するようになっていました。 着物を着てお茶を点てるな どは若い頃の私には全く想像もしなかったことです。 自分が好きなもの、で きるものは意外と自分では気が付きにくいものかもしれません。自分にとって 「英語で日本文化紹介」は、自分の「好き」と多くの「できる」を増やすきっ かけになり、特に着物と茶道は、それが無かったらどんなに自分の人生は味気 なかったかと思えるほどのめり込みました。

「英語で日本文化紹介」の効用で自分自身驚いたのは、フランス語検定の2級 があっさり取得できたことです。2018年にフランスのリオンの中学校で、片言 のフランス語で生徒達に折り紙などを教えて喜ばれたことから、フランス語の 独学に力を入れるようになりました。 英語で普段話すことをフランス語でも 話せるようにしよう、と考えると話したい内容が絞られ、グーグル翻訳で英語 を打ち込んで、そのフランス語訳をチェックするという学習を、無料のフラン ス語ネット講座と並行しながらやり続けました。英語に関しては、中学から学 び始め大学で英語を専攻して 卒業した頃でもほとんど話せず、英会話を向上さ せるにはその専門の学校に行かないと無理だと、苦手意識を長年もち続けてい ました。フランス語検定受験で、語学上達のコツは楽しい目的をもつことであ ると知りました。一つの目的から「好き」と「できる」がドンドン増え、自分 でも気づかなかった自分発見につながっていけば、より楽しい日々になるだろ うと気持ちが前向きになってきます。