俳句教案作成のきっかけ
日本文化を紹介する親善大使を米国の学校に派遣していた 20 数年前、大半のホストスクールから事前にリクエストのあった授業の一つは俳句でした。当時、どの学校でも「世界で最短の詩である俳句は日本の文化」であるのを知っている先生がいらして、校⻑先生にそれを話し、小学校の 2〜3 学年以上の全クラスでは俳句をやって欲しいという学校全体のリクエストにつながったようでした。
俳句にほとんど親しんでこなかった私や親善大使にとって、俳句をアメリカの学校で、それも英語で授業として行うのは、想像しただけでも恐ろしいことでした。 渡米前の研修で取り上げないといけないと考えた私は、外国人作家による「英語俳句の手引書」を数冊見つけ、それを比較しながら授業として使えるような参考教案を作成しました。
俳句を作る簡単ルール
手引書を読みながら感じたのは、どの本も日本の古典俳句の基本ルールである 1. 五七五でつくる 2.季語を入れる を英語俳句にどう取り入れるのかまだ試行錯誤をしている状態であることでした。 そこで本を参考にしながら、とりあえず、俳句を何も知らない生徒達が気軽に俳句をつくれる 4 つの簡単ルールをまとめま した。
- When you write Haiku, write in three lines.
- When you write Haiku, write about nature.
- When you write Haiku, write about what you are watching now.
- When you write Haiku, use simple and direct words.
日本の俳句を観賞するのも大事です。そこで古典俳句の 4 大俳人(芭蕉、蕪村、 一茶、子規)の作品から 1 句ずつ選び、日本語でまず音の響きを聞かせ、英語翻 訳でその情景を想像させるようにしました。作品選びの基準は、上記の 4 つのル ールが説明しやすいものです。Sketching Nature(自然描写)として俳句をとらえれば、自然観察の目を養うことにつながるとも考えました。