勉強会のこと

STEPを設立し親善大使プログラムを始めた頃、渡米前研修の一環として英会話テープとテキスト、通信教育の教材を作成すると同時に、月例の勉強会を開始しました。そこでは米国のホストスクールで行う授業という想定で毎回すべての出席者が何か1点、私は3点程みんなの前でパフォーマンスをします。当初の勉強会は本当に手探り状態でした。多数の外国人を前に英語で日本紹介をした経験は私を含め誰にも無くて、まず紹介できるものは何かから始まり、それをどう見せるのか、その際に用いる英語表現、アメリカの生徒達の反応など分からないことが多かったのです。

茶道、書道、日本舞踊など伝統文化の技能がある人はそれも紹介するものに組み入れていきましたが、そうした習い事をしたことが無い人も多く、折り紙を中心に、あとは思いつくままに種類を増やしていきました。マクドナルドのチラシを使って、日米間での価格や種類の違いを学ぶといった授業も考えました。

印象に強く残っている参加者の一人は英語力では英検4級にも達していないと思われた50代のピアノの先生。彼女は音楽と折り紙だけで1か月交流してきたのですが、教え慣れているプロの先生が日本の唄を指導すると、英語をさほど使わなくても生徒達はちゃんとついてくるのですね。先生や生徒達から大好評でした。幼稚園の先生や保母さんも折り紙、歌やゲームなどを普段から子供達に指導していますので、アメリカでも生徒が退屈すると他のものに切り替えるなど飽きさせない工夫が得意です。いつも明るく笑顔で接する姿勢が身についているので、国が変わっても子供達の前ではそれほど緊張しないようです。

勉強会を通して私は渡米前の皆さんの準備状況やプレゼンの様子を知っていますので、外国の人達との交流プログラムでは伝統文化や英語が苦手であっても、その人のできることや人柄で結構うまくやっていかれる実例を多く知ることができました。 活動前に苦手な部分を高める努力は必要ですが、そればかりに拘らずに、自身の得意なことや長所を生かすことに目を向けると準備そのものがさらに楽しくなると思います。

勉強会を続けるうちに皆さんにお渡しする私の参考教案の数が増えていきましたが、参加者の英語力には幅があったので、そこで用いたのは中学校で習う基礎的な表現でした。

英語で日本紹介をするにあたって、1.興味のある(又はできる)日本文化を英語で紹介する。2.好きな英語で何を紹介するかを考える 3.ユニークに紹介できるものから内容を決めていく など、入り口はいろいろです。自分の個性を生かしてまずは何か一つに挑戦してみる、とそこから自信がついてさらに興味の対象もどんどん広がっていくことでしょう。

アラレちゃん音頭の盆踊りを一緒に練習
曲がるストローを使い、裏面から動かす踊るチューリップを作成(折り紙、チューリップの唄)
漢字の成り立ちを含め日本の文字(これは高校生レベルの授業まで広げることが可能)
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